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2011年 07月 25日
グラスホッパーは日光浴が好きで、南部のこの辺りは少年の頃には何度も通った道だ。いつも音楽が流れ、沿道にはバーベキューの匂いが漂っており、懐かしい思い出がある。
「あの頃は鯉魚門(レイユームン)からここへ来て、まず船で北角(ノースポイント)へ行き、電車に乗り換えて中環(セントラル)へ 行き、また中環で6号のバスに乗って、本当に遠かったよな……」。蔡一智が蘇志威に言った。 「そうだったな。中学生の頃は泳ぎに来たくてたまらなかった。あの頃この辺りに来ると、ともすれば一日がかりで、旅行みたいだった!不思議なのは、あの頃のバスはエアコンがなかったけれど、心地良かった事。車に揺られていると、とても気持ち良く寝たよ」。蘇志威もよく覚えていた。 「君は死んだように寝ていたよ。頭が窓際の手すりに何度もぶつかってたけど、ゴンゴンって。目を覚まさずに寝てた。僕も寝たけど、外の木の枝が車のガラスに当たる音が聴こえたら、もう到着と分かった……」 数年後、蔡一智と蘇志威は、おこがましくもレスリーの家でランチを御馳走になったことで、さらに深く忘れられないエリアとなった。 グラスホッパーとレスリーは、実は早い時期に知り合っていた。初めての顔合わせは1986年9月で、グラスホッパーがデビューして2年目のことだった。アニタ・ムイとレスリーがオーストラリアのシドニーでコンサートに出演し、彼らも同行したのだ。レスリーは全く気取ることなく、みんなで賑やかに談笑し、すぐに親しくなった。同年の12月、レスリーはコンサートを開き、グラスホッパーをゲストとして招いた。それ以来、レスリーとグラスホッパーが会うと、いつも話題は音楽のことだった。 「レスリーさん、何を聴いているんですか?」 あるチャリティ・ショーのバックステージで、蔡一智はレスリーがCDプレーヤーで熱心に何か聴いているを見かけた。 「おいで、ちょっと聴かせてあげよう」。レスリーはイヤホンを蔡一智に渡した。 蔡一智は美しいメロディラインを耳にしたが、聴いたことのない曲で歌詞もなかった。 「どう思う?」レスリーが真剣な顔で聞いた。 「綺麗ですね。耳に心地良いメロディです。新曲ですか?」 「ああ、僕が最近作った曲なんだ」とレスリーは微笑んだ。 デビューしてから、蔡一智は自分がますます音楽を愛するようになったと感じていた。しかし残念なことに、系統だった音楽教育を受けておらず、歌えても作曲ができなかった。歌唱も作曲もできる歌手に会うと、いつも羨ましく思い、感心していた。 レスリーは羨望のまなざしに気付いて言った。「君も自分で曲くらい作れるよ」 「どうしてできるんですか?僕はこれまで音楽を勉強したことがないんです。どうやって作るんですか?」。蔡一智は信じられなかった。 「作曲するには音楽を勉強しないといけないなんて、誰が言ったんだ?僕だって習ってないよ!僕のやり方は、頭に浮かんだメロディをハミングして録音する。それをミュージシャンに渡して、代わりに編曲してもらうんだ」 蔡一智はまだ半信半疑だった。「そんなに簡単なんですか?メロディをハミングするだけでいいんですか?」 「もちろん簡単さ。何でそんなに難しいの?この世界の誰でも作曲できるよ。僕でもできるし、君もできる。やってみなよ」。レスリーは蔡一智に勧めた。 レスリーの話を聞いて蔡一智は思うところあり、本当に曲を作り始めた。一曲作って、最初の観客は蔡一傑だった。 「一智が作曲?ハハ、笑わせるなよ。お前が作曲なんて出来るわけないだろ」。蔡一傑は真剣に聴くことなく、冗談にしてしまった。 蔡一智は諦めず、もう一曲作って蔡一傑に聴かせたが、蔡一傑はやはり首を横に振った。 「音楽を勉強したことがないのに、どうやって作曲するの?止めなよ。時間の無駄だよ」。一傑は以前の蔡一智と同じように考えていた。 蔡一智はそれでも諦めず、また一曲作って、今度はベテラン・ミュージシャンの杜自持に聴いてもらった。 「君が作ったの?いいじゃないか」。杜自持は褒めてくれた。 「メロディを作っただけで、曲になってないんですが、どうしたらいいか分からなくて・・・・・・」 「大したことじゃないよ。和音を付けてあげよう」 杜自持はピアノに向かうと、メロディを聴きながら鍵盤を弾いた。数分もたたないうちに、完全な楽譜ができあがった。 「ごらん、君の作品ができたよ!」 杜自持は曲をデモテープにしてくれた。それを手にして、蔡一智は何も言えないほど感動した。 「誰でも作曲できるって言っただろ。この《黄昏都市人》は素晴らしいよ!」 レスリーは蔡一智の曲を聴いて、とても喜んだ。蔡一智はそれから音楽の創作に自信を持った。そして言葉にこそしなかったが、 心の中ではずっとレスリーを音楽創作に目覚めさせてくれた恩人だと思ってきた。 (つづく)
by leslielegacy
| 2011-07-25 00:00
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